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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第19章 嵐の予感

ファソンが伸ばした手にカンは誘われるように身を預けた。いつもはファソンがカンの腕の中で涙を流すのに、今日ばかりはカンがファソンに抱かれ涙を流している。
「ファソン、私は時々無性に怖くなる。玉座というのはそんなにも魅力のあるものか? 王なんて、孤独でつまらないものだと私は思うのに、皆、この地位を望む。一体、私の座る場所は幾人の血に染まっているんだ? 過去の歴史を紐解いて何代も前の王に遡れば、それこそ無数の犠牲者の血の上に私は座っていることになる。つくづく自分が罪作りな人間だと思うのはそんなときだよ」
「ファソン、私は時々無性に怖くなる。玉座というのはそんなにも魅力のあるものか? 王なんて、孤独でつまらないものだと私は思うのに、皆、この地位を望む。一体、私の座る場所は幾人の血に染まっているんだ? 過去の歴史を紐解いて何代も前の王に遡れば、それこそ無数の犠牲者の血の上に私は座っていることになる。つくづく自分が罪作りな人間だと思うのはそんなときだよ」

