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霞草
第6章 二人の想い
食卓のある部屋に入ると、霞は震えていた。
僕は、
「怖かったよね。」
と肩を撫でた。
彼女は立ち上がり、僕にしがみついてきて、
「助けてくれてありがとう。」
と言った。
まだ彼女は震えていて、緊張がほぐれて涙がでたのか、僕の胸で泣き始めた。
僕は彼女を優しく抱きしめ、
「もう大丈夫だよ。」
と繰り返し、背中をさすった。
落ち着いたのか、彼女は、自分達の食事の用意を始めた。
二人で先に食事する。
なんだか気恥ずかしくて無言になってしまった。
彼女が、
「来週から学校が始まるので、散歩するのは学校が終わってからになるわ。」
と言った。
学校は街にあることを知った。
「霞の通っている学校を、見てみたい。良ければ明日は、街で1日過ごしたい。」
僕は、ここに来る前に、街でサイクリングしてきた事を話し、
「他に景色のいいところがあったら連れて行って欲しい。」
と。
彼女は、
「そうね。せっかくだもの、色んなところ見たいよね。」
と言ってくれた。

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