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***堕散る(おちる)***
第37章 step37 三十一段目 地上階2F
「そうなんですか、全然覚えていないです。こんなで母に電話できない。」
「大丈夫だ。帰ったら電話してみよう。」
車まで戻りマンションに帰る。
運転しながらルリに聞いてみた。
「お母さんの所に帰りたいか?
ルリがそう思うなら、帰ってもいいよ?」
絶対に手放したくない。
でも、ルリをこんな状態にしてしまった俺が無理矢理引き留めることは出来ない。
母親の元に帰した方がルリにとって幸せなのかもしれない。
そうしたら、俺は…
「…………って言った。」
「ん?」
「ハルト…ずっと一緒に…いるって…言った…」
「ああ、」
「記憶が戻っても、戻らなくても…ずっと一緒にいるって…」
「ああ、言ったよ。」
「それは…約束じゃないの?」
「約束だよ。俺は…ルリと一緒にいたい。
でも、ルリがお母さんといる方がいいなら…」
「ワタシ、ハルトと一緒にいたい。ハルトとずっといるって…
お母さんに会えなくなったらって思って寂しくなったけど…
会えるならいいの…
でも、ワタシはハルトと居たい。
お母さんには今は会えない。心配しちゃうから…
ハルトはワタシが邪魔?」

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