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***堕散る(おちる)***
第32章 step32 二十六段目 B2階 犬になる
老人が戻ってきてくれて、首輪を外してくれた。
そして口枷のベルトも外して地面に捨てた。
「おし、これで自由になっただろう。
お前はあっしの犬になるんだよ。」
また進み出す老人について行った。
森の中は芝が生えていないので脚が少し痛かった。
沢山の木に黄色いリボンがついている。
それも見覚えがあったけど、なんだったか思い出せなかった。
新しい飼い主に捨てられたら困る。
ワタシは老人について行った。
森を抜けると、物置を大きくしたような小屋があり、老人がそこに入っていく。
ワタシも中に入れてもらえた。
「ほら、外より暖かいだろう。」
ストーブの横に毛布を敷かれる。促されてそこに伏せると暖かさにいつの間にか寝てしまった。
ウッ…
寝苦しくなって目覚めると、ワタシはテーブルの脚に、全ての足を結ばれて仰向けに寝かされていた。
ワンン…
「ようやく目覚めたか…」
老人がワタシの顔を覗き込んでいた。
「さて、いっぱい鳴いてもらおうかのぅ。」
老人がニヤニヤ笑い顔を近づけてくる。
ヤニ臭い口を近づけてワタシの唇を塞ぐ。
ぅううぅ…ワンワン…

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