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第32章 step32 二十六段目 Ｂ２階 犬になる

ワタシは部屋に飾りたい花を選ぶ。

黄色い明るい花を選んだ。部屋を明るくしたかった。

選んだ一輪を指差して、ワンと鳴く。
王様に指をﾋﾟｼｯと叩かれて、指を引っ込め拳で花に触れる。

｢これだな。｣

ワン…

王様が指した花を切る。

｢自分で持つといい。｣

茎を示され、花を横にしてくわえさせられた。

｢ユキには花が似合うな。｣

王様が頭を撫でてくる。

温室の隅々まで歩いて花を見た。
花を見ていれば癒される。
そして温室に隠っていれば人目につかないから…


｢そろそろ部屋に戻るぞ。昼食の時間だ。｣

王様に言われて温室を後にする。

庭師が先程より多くいるように感じた。


｢お帰りなさいまし。｣

足拭き専門のメイド達が、上がり口に正座していたが、ワタシは彼女達よりも目線が低い。

そして、石畳にバスタオルが敷かれ、１つの桶はだいぶ大きいものが置かれていた。

一人は昨日と同じ、チューリップを喜んだメイドだった。

｢ユキ様、こちらに手足を浸けてください。｣

そのメイドは昨日と変わらず優しい笑みで迎えてくれた。

目線を反らすようにして手足を手で持ち上げタオルで撫でてくれた。