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第28章 萩原 義隆 ー 過去編 ー

「『ピンクレディー』です。」
「ピンクレディーって…」
ベースのリキュールは何だったか…古い記憶を引っ張り出す。
「ドライ・ジン、グレナデンシロップ、レモンジュース、卵白。」
「材料はどっちでもいい。アルコール度数高いだろ?」
「…高い、と言えば高いですかね。20度強です。でもこの量ですし…速攻潰れちゃったみたいですけど、呑めない方だったんですか?」
「…みたいだ…」
「大丈夫ですか?」
マスターはカウンターから出てきて及川を見た。
「酔ってるだけ、だと思いますけど…急性アル中で救急車呼ぶほどには見えませんね…裏で休んで貰っても大丈夫ですけど…ちょっと煙草臭いですが…」
「ありがとう、送って行くよ。」
動揺を押し隠し、会計を済ませて店を出た。
送って行くといったところで彼女の家も知らない。
大通りまで向かいながら、途中のコンビニでスポーツドリンクを買った。
乗る予定のないバス停のベンチに腰掛け、スポーツドリンクを少しずつ飲ませる。
吐き気を催した時のために、スポーツドリンクの入っていたレジ袋は捨てず、広げたままにしておいた。
「及川、タクシー拾ったら1人で帰れるか?」
「・・・・」
「住所、言える?それか免許証か何か、住所の分かるものがあれば出して?」
気を失っているわけではないものの、とろんとした目でぼんやりとこちらを見たまま、返答がない。
「ピンクレディーって…」
ベースのリキュールは何だったか…古い記憶を引っ張り出す。
「ドライ・ジン、グレナデンシロップ、レモンジュース、卵白。」
「材料はどっちでもいい。アルコール度数高いだろ?」
「…高い、と言えば高いですかね。20度強です。でもこの量ですし…速攻潰れちゃったみたいですけど、呑めない方だったんですか?」
「…みたいだ…」
「大丈夫ですか?」
マスターはカウンターから出てきて及川を見た。
「酔ってるだけ、だと思いますけど…急性アル中で救急車呼ぶほどには見えませんね…裏で休んで貰っても大丈夫ですけど…ちょっと煙草臭いですが…」
「ありがとう、送って行くよ。」
動揺を押し隠し、会計を済ませて店を出た。
送って行くといったところで彼女の家も知らない。
大通りまで向かいながら、途中のコンビニでスポーツドリンクを買った。
乗る予定のないバス停のベンチに腰掛け、スポーツドリンクを少しずつ飲ませる。
吐き気を催した時のために、スポーツドリンクの入っていたレジ袋は捨てず、広げたままにしておいた。
「及川、タクシー拾ったら1人で帰れるか?」
「・・・・」
「住所、言える?それか免許証か何か、住所の分かるものがあれば出して?」
気を失っているわけではないものの、とろんとした目でぼんやりとこちらを見たまま、返答がない。

