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日は昇り、日は沈む
第1章 ひなた村
水平線が青白くなり、夜明け前の海と空が漆黒から紫に変わってゆく。

早かった夏の夜明けも、夏至を過ぎてから少しずつ遅くなり、海水浴客で賑わっていた海岸も、今は静寂の朝を迎えようとしていた。

新聞配達のバイクが村の家々をくまなく回り、小高い山に囲まれたひなた村に、外の情報を配って回る。

「明美おばさん、おはようございます」

「おや、タカちゃんおはよう、いつもありがとね」

「今日も早起きだね」

「まあね、年寄りは早起きなのさ、あはは」

パジャマにカーディガンを羽織った明美は、タカオを小さい頃から知っている。明美だけでなく、50戸にも満たないこの村の住民は、誰もが皆、親類のように親しかった。

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