この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
冷血な獣
第8章 嫉妬
……が、思い切り鼻を龍河さんの鼻にぶつけて、
「あ、痛っ」
鼻を右手で押さえながら離れる。
まさか冷酷な鬼の様に睨まれるとは、思わず。
「今のは何だ?」
「え……」
「何だと聞いている」
冷たく質問されると、おどおどと答える。
「すいません、つい……」
「ついこんな事を出来るのか、お前」
更に怒りの込められた瞳。
ヤバイ……。
火に油を注いでしまった……。
「やはり佐伯の部屋に住むんじゃなかった」
冷淡にそう話すと、龍河さんはソファから立ち上がり、斜め上から見下ろす。
「出ていけ」
えっ、出ていけって……。
「ここ、私の部屋なのに……」
「何か言ったか?」
「いえ、すいません、出ていきます……」
怖すぎて、体が動かない。
そこまで怒らなくても良いのに。
そのまま私は素直に従い、部屋を出ていくのだった。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


