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契約的束縛・誘惑なる秘密
第25章 香港ー囚われの美波
「仁科……様……」
「気付きましたかルーク。
一体何がありました?」
「……すみません……油断したようです」
まだ意識朦朧のルーク。
深く力を調べれば、ルークに使われたのは眠りの力だと分かる。
それも少々強力にです。
(ルークでは力が効きにくい。美波もそう考えたんでしょう。
その考えに間違いは無いんですがね)
もう少しルークが覚醒するのを待つ為、私は手持ちのスマホで美波に電話を掛ける。
「…………電源を落としている?」
流れるガイダンスを聞きながら、美波がスマホの電源を切る時は、本気で行動する時だけだと思い出す。
ルークに力を使ってまで……美波は何を思いCLUBから出たのか。
「仁科様、八神様は『どうしても確かめたい事がある』と、自分に向かって力を使われました」
「確かめたい事……ですか?
それは今CLUBに来ていたミン・ロンチャンの事でしょうか?」
「自分には……。
というより居たんですかミン・ロンチャンが?」
ルークは舞台を見ておらず、ミン・ロンチャンとヂャン・ミングイが客席に居たのは知らない。
そして私も、別のショーにイン・ウードゥとワン・レンが居た事を知らなかった。
「ルーク、私はミン・ロンチャンの誘いに乗ってみようと思います。
ルークは美波を……同じくミン・ロンチャンを追ったとすれば合流出来る筈です」
「危険では?
その前に、八神様は何処まで先行したんでしょう」
「少し待ちなさい、今探ってみます」

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