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契約的束縛・誘惑なる秘密
第12章 香港ー記憶の彼方
ウードゥさんに駆け寄って、その躰をしっかり抱き締めた‥‥
大丈夫打ち身だけ、骨は折れていない‥‥でも‥‥
「口端から血が‥‥」
「切れただけだ、なんで逃げねぇサザンクロス?」
「嫌なの‥‥誰かが傷付くのは‥‥私は大丈夫‥‥」
「大丈夫な訳ねぇだろ!!」
「‥‥‥大丈夫‥‥‥」
自然に微笑み、切れて流れるウードゥさんの血をペロッと舐めた‥
不思議な心地良い血の味、でもね此処から先は見せたく無いの、お願い分かって。
「‥‥大丈夫、そして少しの間だけ‥‥ごめんなさい‥‥」
「何を?
サザン‥‥‥クロ‥‥ス‥‥‥」
ウードゥさんの躰に手を掛けて、眠りの方向に持って行く‥
人間だって自然の一部、だから意思と力でこんな事も出来るの。
「‥‥別れの挨拶は済んだか?」
「勘違いしていない?
負けるのは貴方の方‥‥いえ、貴方達全員よ‥‥
私から逃げる事なんて出来ないわ‥‥ほら‥‥」
「!?
ギャーーーーーーー!!!」
私が片手を上げただけで、ほら周りの男達は火だるま‥‥
意識があっても、意識が無くても容赦する気になれない。
私の大切な人達を傷付ける人間は敵‥‥
奪う気だったら私が相手をしてあげる‥‥
盟主の本当の力を思い知りなさい‥‥

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