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第11章 ー這う手ー（田倉 桜 14歳 中学２年）

あれは、学校帰り…

駅前を通ったら騒々しい音楽や声が響き渡っていた。

「よさこい！今日だったの？！」

毎年春と秋に行われる「よさこい祭り」は、全国から躍りを披露するチームが、揃いあいトップを競うお祭り。

「B級グルメかぁ。」

その一言に私のお腹が反応する…

「どうせ家に帰っても一人だし、パパ長距離だからな。簡単に夕飯といきますか！！」

駅前の案内所でパンフレットを貰い、今からでも見れそうなよさこいチームを探しながら、B級グルメを堪能…

「ほいひー。パパも今頃なんか食べてんのかなぁ？」

と思いながらも、よさこい祭りに集中していた。

『結構、混んで来たなぁ。』

邪魔になるかと思い、背中に背負っていた鞄を胸に抱いた。

『重いけど、仕方ない…。』