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狂い咲く花
第30章 三、莢蒾 - 無視したら私は死にます

「どうして…そんなこと言うの??」
涙声になりながら、それだけを口にする。
いつもなら大きな声を上げて子供みたいに泣き叫ぶ麻耶が、自分の感情を押し殺しながら話す。
「麻耶のこと…嫌いになった?」
「そうじゃない…」
「だったらどうして…?」
「ごめん…麻耶より…好きな人がいる」
正直に告げた。
それが麻耶のためだと自分に言い聞かせながら、はっきりと告げた。
「葉月にとって…麻耶は何??愛する対象にはならなかった?」
「それは…」
あの時に愛そうと決めた。
生涯を愛し守り抜こうと決めた。
しかし、そこに愛が生まれることは一度もなかった。
責任という言葉しか存在しなかった。
「ごめん…」
「葉月…麻耶は馬鹿じゃないよ。葉月や姉様より子供かもしれないけど…感情はちゃんとあるよ…悲しい気持ち、辛い気持ち、人を憎む気持ち…全部あるんだよ」
「ごめん…」
もう、後戻りはしないと決めた葉月には謝ることしかできなかった。
麻耶は荒い息をしながら肩を震わせていた。
それを葉月は泣きたいのを我慢しているだけだと思っていた。
麻耶の覚悟など微塵も気付かず、麻耶の手が何を握っているのかさえ気が付いていなかった。
涙声になりながら、それだけを口にする。
いつもなら大きな声を上げて子供みたいに泣き叫ぶ麻耶が、自分の感情を押し殺しながら話す。
「麻耶のこと…嫌いになった?」
「そうじゃない…」
「だったらどうして…?」
「ごめん…麻耶より…好きな人がいる」
正直に告げた。
それが麻耶のためだと自分に言い聞かせながら、はっきりと告げた。
「葉月にとって…麻耶は何??愛する対象にはならなかった?」
「それは…」
あの時に愛そうと決めた。
生涯を愛し守り抜こうと決めた。
しかし、そこに愛が生まれることは一度もなかった。
責任という言葉しか存在しなかった。
「ごめん…」
「葉月…麻耶は馬鹿じゃないよ。葉月や姉様より子供かもしれないけど…感情はちゃんとあるよ…悲しい気持ち、辛い気持ち、人を憎む気持ち…全部あるんだよ」
「ごめん…」
もう、後戻りはしないと決めた葉月には謝ることしかできなかった。
麻耶は荒い息をしながら肩を震わせていた。
それを葉月は泣きたいのを我慢しているだけだと思っていた。
麻耶の覚悟など微塵も気付かず、麻耶の手が何を握っているのかさえ気が付いていなかった。

