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恋は盲目
第3章 宵花火
「・・・・俺、本気で好きだよ。あんりのこと。」
「・・・・・・うん」
「・・・・・・・・・今も。」
「・・・・・・・・・うん。」
慶太はまっすぐ私を見つめている。
子供の頃から知っているのに、慶太ってこんな顔だっけ。
こんなに「男の人」だったっけ。
ずっと一緒にいたから気づかなかったのかな。
いつからこんな目で見てくれていたんだろう。
慶太のことは大好きだけど、それは友達として。
ほんとに理屈じゃなくて、電流が走るかどうかだけ・・・
ドキドキしない私のこころが教えてくれる。
ブーーーブーーーー
私の携帯が鳴った。
確認すると総司君からだ・・・・
慶太の前では出られない
慶太がじっと私の方を見つめている。
その間に着信音が消えた。
「・・・・・・・・応援する。」
慶太が目を瞑ってつぶやく。
「あんりのこと、世界で一番好きなのは俺・・・だから応援する。
そんなにすぐ、切り替えられないけど・・・・・・
でも話せなくなったり、友達以下になるのは嫌だ。」
「うん、ありがとう。」
私は涙がこぼれないように歯をくいしばった。
なんとなく、ここで泣いたらずるいから。

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