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タイムリミット365
第6章 向き合う事
「…ごめん。輝翔…。」
そう言って抱き締めた輝翔の体は震えていた。
どうしたの?
そう思いながらも抱き締め合っていると、輝翔が私の耳元で静かに言った。
「羽音…そんなに死にたいなら、一緒に死ぬか…?」
「えっ?……輝翔?」
「お前がそんなに死にたいなら、俺も一緒に逝ってやるよ。」
「なんで?輝翔は、死ぬ事なんてないじゃん!」
輝翔を突き放して、その顔を見ると、いつも以上に鋭い瞳で私を見る輝翔がいた。
なんで?
怒ってるの?
戸惑う私の腕を強く引っ張り、輝翔が海へと向かっていく。
輝翔は、本気だ!
冗談なんかじゃなく、本気で海で死のうとしている。
やめさせなきゃ!!
輝翔は死ぬ必要なんてないんだから!
「やめて、輝翔!お願い!」
「うるせー!死にたいんだろ?死なせてやるよ!」
「やだやだっ!こんなの嫌だよーっ!!」
「死にたいんだろ!黙れよ!」
「輝翔を連れてなんて、死ねないよ!!」
「いいんだよ!あと少しの命、お前にくれてやるよ!!」
えっ?今なんて言った?

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