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第6章 氷の女王の素顔

自分の気持ちを試されてるのは気付いている。
わざと突き放したり、意地の悪い行為をし、最後には必ず、



『嫌いになったか？』



と問う。


シェリルはまともな“愛”を知らない。
大勢の召し使いを抱えてはいるが、この馬鹿デカい屋敷に独りきり。
人の気持ちを察する能力を失い、試す事で秤に架けていた。


「部屋に…」


「かしこまりました、お連れします」


ベッタリと張り付いて離れない身体を抱き上げ、地下から二階の部屋に運ぶ。


冷たい女と噂されるが、そんなのは噂なだけで、本当は寂しがり屋の甘えた。
情事の後のシェリルは、普段は決して見せない穏やかな顔をする。