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第10章 差し伸べられた手

「シェリル様っ…」


「エオス…私を信じてくれか？」


「…はい…！」


溶けてしまう位の優しいキス。


愛されている。それが勘違いだと分かっている。
だが、シェリルからの甘い囁きは、連日の辛い悪夢から一瞬で解放させてくれた。


頭を撫でる優しい手。啄む様な口付け。愛おしそうに微笑む口元。


「シェリル様…シェリル様！」


身を焦がす程の愛しい主。
忠誠を、愛を誓ったのはあの悪夢ではない。
救いの手を差し出してくれた優しい女神。


だが、その女神は時に悪魔が身震いする程の微笑みを浮かべる…。