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第9章 調教師の心

なのに、美波は俺に向かって、ありがとうと。



「美波！
私みたいなのなんて言うなよ、美波はそんなんじゃ無い、自分を落とすなよっ！！」


「宮野・・さん・・」


「頬の傷がなんだ、俺はそんなの気にしない‥
美波は、今のままが良い‥‥頼むから変わらないで‥‥くれ‥‥」


「だけど私は・・・」


「調教されたって、美波は美波している‥
俺は、それが変わって欲しく無い‥‥
・・やっぱり彼奴をぶん殴っとくんだった、美波がこんなに落ち込むなんて、俺は嫌だ・・」


「本当に、ありがとう宮野さん‥
少しだけ元気が出た」


「本当に！？」


「うんっ‥‥」


笑ってくれた。
無理をして笑ってくれたのかも知れないけど、俺‥‥何だか嬉しくなる。



「少しだけ役に立ったんなら、それで良い‥
調教師だって人間なんだ、暗い顔されるより、笑ってくれた方が俺は良いんだよ」


「うん、ありがとう」


「・・・
こういう時の美波って・・・・めちゃめちゃ可愛いっ！」


「きゃっ！？」


思わず俺が美波を抱き締めてしまったが為の、美波の悲鳴。


調教じゃ無く、こう普通に女らしい悲鳴って初めて聞いたかも。