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第9章 調教師の心

「それよりも、疲れを取って、傷を治す事に専念しましょう美波」


「傷・・残りますよね・・・」


「それは・・・」


あの一撃、どうやら鞭が縦に入ったらしく、美波の頬を深く一線。


頬の中心ラインから横に１本、かなり深めに鞭が入ってしまった。
傷痕が残る程度には・・・



「・・・
どうせ戻れない躰です‥
更に傷痕が残ったっ‥‥て‥‥‥」


「・・私達調教師は、プレイの一環として傷になるようなプレイもしますが‥
こんな、顔に傷痕が残るような事はしません」


「じゃ、私はそれ以下ですね・・」


「そうじゃない！」


「・・っ！！」


私が声を荒げたのを聞いて、美波は驚いているよう。


実は私も怒ってはいる。
意に染まらないからと言って、暴力に走ったこの行為に、怒りを感じてる。


Ｓ‥‥サディストと暴力は別物。
これはただの暴力、権力のある大人の腹いせにすぎない。



「・・すみません‥
ですが、美波は何も悪くはない‥
契約を守っただけでしょう？」


「・・・はい」


「でしたら自分を下品る事なと無い‥
世の中には、傷痕がある女性など沢山存在しています」


「だけど、傷痕のある女なんて・・・」