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エリュシオンでささやいて
第13章 Moving Voice
だとすれば、あの電話の主はさっちゃんに間違いない。
なぜ変声機を使った変態さんを装ったのかはわからないにしても。
……別に普通でもよかったよね?
なんでさっちゃん、黄ばんでいるとか腹立たしいことを言ったんだろう。
男を装いたかったのかしら。
あの音楽を流したのが須王や棗くんを釣るためであったとしたら、ここに集めるのが目的ということになる。
裕貴くんのご家族がお姉さん以外が留守になることを見計らって、再び裕貴くんの家に集結させる意味はなに?
裕貴くんのお母さんやおばあさんになにかあったのではないかと、ハラハラさせたかったとか?
……なんだろう。
まるでしっくりこない。
さっちゃんの意思が見えない。
そんな時、裕貴くんのお姉さんを抱き留めたままだった須王が、体をずらすようにして手の位置を変えた。
なに、後ろから抱きしめてる!?
……違う。
これは、後ろから羽交い締めをしているんだ。
なぜ!?
「棗」
「OK」
須王だけではない。
今度は棗くんが一度しまったはずの銃を手にして、お姉さんのコメカミに銃口を押しつけたのだ。
「須王さん!? 棗姉さん!? おかしくなってしまったのかよ、それは俺の姉貴だぞ!?」
裕貴くんの悲鳴があがる。
残香とはいえAOPの威力で、ふたりはおかしくなってしまったの!?

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