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エリュシオンでささやいて
第8章 Staying Voice

彼が毛布を剥いで鍵盤の上に放るものだから、無意識に彼にこすりつけるようにして動くあたしの裸の腰が見えて、悲鳴を上げる。
あたし、なに!?
なんでこんなエロっ子なの!?
「なに、どうしたいの?」
理性がガンガンに警鐘を鳴らしているのに、艶めいた声で囁かれれば、身体が快楽を求めて濡れて疼いてしまう。
「なにを……っ」
「ん?」
須王は自分の頬とあたしの頬とを摺り合わせるようにして、気怠げに聞く。
言葉としては最短なのに、色香がぎゅうぎゅうにつめられている〝ん?〟。
「あたしになにをしたの? どうしてあたし……」
「ああ、神聖なピアノ前で、こんなに固くさせてる理由?」
両乳房の蕾が、彼の親指と中指で強く押し潰され、身を捩れば、浮いた人差し指で引っ掻かれて。
「や……そこ、や……っ」
「気持ちよさそうに身体動かして、甘い声だして……本当に嫌なの?」
「……っ」
「舐めていい?」
「駄目!!」
「ここ、ぷっくりと膨らんで舐めたいんだけど。歯でくちゃくちゃと噛んでいい?」
「駄目、耳でそんな言葉、言わないで!!」
その瞬間、またあたしの身体が浮き上がって、毛布の敷かれたままの鍵盤の上に、彼に真向かいになるように座らせられて。
バーン。
あたしの重みで音が鳴れば、直接肌で感じる音の衝撃に、快感にも似た痺れのようなものが全身の肌に散る。
「お前を、弾かせて?」
「え?」
須王は、指を絡ませてあたしの両手を塞ぎ、床に跪くようにしながら、あたしの胸に吸い付き、舌で激しく胸の頂きを揺らした。
「な、や、ぁあっ、須王っ」
あたしが身じろぎする度に、ランダムに音が鳴る。
その中でぴちゃぴちゃといやらしい音をたてながら、須王は愛撫をあたしに見せつけるようにした。乳房に熱い息を吹きかけながらの、ピンポイントの刺激に、気持ちよくて身を捩れば、また違う音が出て、その音の振動が快楽となる。
まるで音の檻。
囚われたあたしは、早瀬が与える音に戦き悶えて。

