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Oshizuki Building Side Story
第7章 Turning point of love!

忍月所有のホテルが沖縄にあるらしく、渉さんはその別館を堂々と貸し切っていた。
ひとつのベッドがキングサイズはあるんじゃないかという大きさで、一般の部屋なのに、セミスイート並みの広さがある。
「好きな部屋を、好きな奴と使え。俺は勿論沙紀と……」
「えー、私、女の子達と泊まりたい! いつも渉と同じ部屋だから、たまには非日常を味わいたい。ちょうど四人部屋だし」
「なんでだよ!? ここは愛を深め合うところだろう!?」
「愛より友情を深めたいし」
「沙紀~!」
……ああ、渉さんが涙目だ。
しかしそうなると、俺は陽菜と泊まれないということ?
ちらりと陽菜を見るが、最初から女性達で泊まる心づもりなのか、俺の方に来ることはなく。
「香月課長、涙目っすね。どんまいっす。今夜は仲良く俺と一緒に寝ましょうね」
「それだけはノーサンキューで」
「なぜっすか!? ビール片手に、夜通し恋愛相談……」
乙女か!
その暇に、三上さん口説けよ。
とりあえずは、部屋割りは保留。
女性陣は四人部屋に荷物を置いたらしいが、男性陣は贅沢にも、ひとりひと部屋。
そして各自、水着に着替えて徒歩圏内の有名ビーチに出ることにした。
「陽菜、行こう?」
「ごめん、衣里。先に行ってて。トイレ行ってくる」
「じゃあ待ってるよ」
「本当? すぐ戻ってくるから」
そんな声が聞こえ、待機中の真下さんに、俺が代わると申し出た。
渋る彼女を、横から現れた結城さんが腕をとるようにして連れ去る。
逞しい胸板を覗かせる結城さんに、真下さんは目を泳がせていたけれど、結城さんだって、セクシーな薄紫色の水着を着ていた彼女に目を泳がせている。
顔を赤くさせているふたりに、なにか微笑ましい心地になりながら、陽菜の水着はどんなものなのだろうと思いを馳せてみる。
箱根の時の白い水着も、とても似合って可愛かった。
他の誰にも見せたくなくて、隠してしまったっけ。
新たな水着を買ったと言っていたけれど、どんな水着かは教えて貰えなかった。聞こうとしたら、「疲れたから先に寝るね」と寝てしまったからだ。

