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【寝取られ】喰われる彼女 亜紀
第9章 【寝取られ】喰われる彼女 亜紀(9)
病院に連れてこられた俺は、さほど待たされる事なくすぐに診察を受ける事ができた。

診断結果は、胃腸風邪だった。

飛行機内で腹が痛くなったのは予兆だったのだろう。

医者からは薬を飲んで2、3日安静にしていれば治ると言われた。

2、3日……

この南国にいる間、俺はずっとベッドで大人しくしていなければならないのか。

とは言え、病院でちゃんと診てもらえたのは良かったし、薬を飲んだら少し楽になった気がした。

何はともあれ、ここに連れてきてくれた牧原達には感謝しないといけないと思った。


「良かったね直樹、大した事なくて。」


「うん。」


診断を聞いた亜紀はホッとした表情でそう言ってくれたが、それ以降帰りの車の中でも亜紀が俺に話し掛けてくる事はなかった。

そして時折亜紀は「はぁ……」と溜め息をついていた。

俺には分かっていた。亜紀の今の本当の気持ちが。

亜紀は感情が顔に出易いんだ。

亜紀は俺の事を本気で心配してくれているけれど、同時に凄くガッカリしているんだ。

折角の旅行なのに、ずっとずっと楽しみにしていた旅行なのに、どうしてこんな事になっちゃうの?と。

そりゃそうだ。

俺は2、3日寝ていないといけない。つまり俺は2人でのこの旅行を台無しにしてしまったも同然なんだから。

でも病気はある意味仕方のない事でもあるし、俺を責める事はできないから、亜紀は本心ではガッカリしていてもそれを口に出す事はしないんだ。

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