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難問 -兄妹の領域境界-
第8章 第1回お父さんの特別講座
「佑人、よく聞くんだ。
女の子っていうのは、優しく触れるんだよ。
あまり乱暴に触ると壊れちゃうんだ」
幼稚園の年長のころ、父は初めて男同士の話をしてくれてた。
「こわれ…ちやう?」
このころの俺は、保育園のやんちゃ坊主でもちろん女の子にやさしくするるなんて考えもしなかった。
「体もそうだけど、心も壊れちゃうんだよ、女の子はそれくらいはかない存在なんだ」
「みんな元気だよ?」
「少しずつ大人になるわかるよ、好きで大切な人ができたらだれよりも何よりも優しくするんだよ?」
佑人はちょっと考える。
「わかった!それじゃぁ俺は未由にすっごく優しくして大切にする!」
「えっ、いや佑人が将来に好きな人ができたらでいいんだよ?」
「だって僕は未由のことが大好きだ、未由は細いし、壊れちゃいそうだし、俺が守らなかったら誰が守るの?」
「未由のことは、きっと未由のことを好きになった子が守ってくれるよ」
「だめ、俺は未由のヒーローになるんだ!」
佑人は本当に未由が好きだなぁ・・・・
よく面倒を見てくれるから僕たちもすごく助かっているのは確かだし。
未由もなんだかんだ、佑人について周っている。
妙にやる気満々な佑人を、まだまだ可愛いな・・・と思いつつ
「じゃぁ、未由のことをよろしくね」
いつかのために、今から努力するのも悪くないかなと声とかける。
「うん、わかった」
その日を境に、佑人の表情が不機嫌さをまとうようになった。
幼いなりに、未由を傷つけるやつを近づけないための考え抜いた方法だった。
それが今後何年も続く・・・いや、エスカレートしていくとはだれも想像しなかった。
Fin

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