この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第16章 平穏と秘密

「連絡してあげたらどうかな…」
「でも携帯……」
「差し障りが無い時間はあるんじゃないか?」
「それは……」
絶対に彼奴から電話が掛かって来ない時間…
一番はガッコ中‥だけど桜だってガッコだ、だとしたら……
「・・うん、ある‥絶対に大丈夫な時間」
深夜遅くから朝方…
この時間だったら、彼奴から掛かって来る事は無く、桜は街で遊んでいる時間。
ちょっとハイになってないか心配だけど、一番安全な時間帯。
「あったね…
時を見て掛けてあげなさい」
「うん…
桜‥心配してるだろうから、大丈夫って事だけは伝えてあげたい」
「それで良いよ」
こういう時の紀永さんは、的確なアドバイスをぁたしにくれる‥流石大人というか、ぁたしより人生経験豊富というか……
でも、これを言ってしまうと、紀永さんが困った顔を‥それにまたオジサン発言も……
とりあえずスルーしなくちゃ・・・
「その子の事は良いみたいだね」
「ちゃんと連絡する」
「そうか…
じゃ、久しぶりに絵でも書かないかい?
という私も久しぶりだがね」
「絵………」
あの日以来、触れる事も出来なくなったスケッチブック…
それなのに、今のぁたしがキャンパスに書けるのか??
答えは多分ムリ…
まだ少し‥怖い。
「・・
出来たらスケッチブックで……」
「別に何でも良いんだよ??」
「まだ‥なんて言うのかな…
そこまで割り切れていないみたい」
紀永さんと一緒に居るのに、割り切れないぁたしって何?
何が割り切れないんだろう??
・

