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夢…獏の喰わぬ夢
第7章 現在
「そう、黄色帽子の男の子に捕まるのよ。
虫かごから出される時怖かったわ。
でも、その子は、私の為に砂糖水や蜂蜜を用意した。
好みじゃないとわかり、毎日、新鮮な花を摘んできたり、花を育てたりした。
私に話しかけてくれた。音楽も聞かせてくれた。
その子は言ったわ。花畑にいるより長生きさせる。と、
私の為に花を摘み、遊ぶのを止めて新鮮な花を持って帰ってきた。
その子は私を籠に入れず部屋に離して育ててくれた。
外から帰ってきて、私がカーテンの陰で休んでいると、居なくなったと慌てて探している。
そのうち、その子が帰ってくるとドアの前で待つようにしたわ。
指先や頭に止まったりもした。
『彼は蝶がなついた。』って喜んでくれた。
私、不思議なことに気付いたわ。その部屋、見覚えがあるの。
ここだった。
彼はあなたなんだと思ったら目覚めたわ。
あなた子供の頃蝶に興味あった?」
「いや、普通に虫取りをして遊んだことはあるけど特に夢中になったことはないかな。」
「そう、じゃあ直接的な夢じゃないわね。」
「僕の夢にも蝶がでたよ。
楽園に蝶が沢山いた。それは君なのか?」
「その蝶を捕まえた?」
「いや」
「じゃあ、私じゃないわ。」

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