この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不知夜月(いざよいづき)の夜に――
第4章 満月
上弦の月の夜
幸さんと会えないまま一週間が過ぎた――
あの日から毎日
仕事帰りにこの店で彼女を待っているのに…
入り口のドアが開く度に
振り向いては
結局溜め息を吐いて視線を戻す…
どうして来なくなったのか
何があったのか全くわからなくて
不安だけがつのっていた
"…こんな事なら
携帯番号くらい聞いておくんだった!"
今更後悔しても
どうにもならない―――
自分に腹がたって下唇を強く噛んだ
もしかしたら…
元の彼と寄りが戻ったのかもしれない…
それとも新しい恋人でも出来たのか?
彼女の気持ちも考えずに
僕が距離を縮めようとしたばかりに
戸惑わせてしまったのかも知れない
きっと彼女は僕をただの友人としか
見ていなかったんだ…――
考えれば考えるほど
マイナス思考に歯止めがかからなくなっていた

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


