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第12章 ノーフンドシ

村長の案内で、ラッカとニーナは、村にひとつだけある宿屋に泊まることになりました。

「人間が泊まるのは久しぶりですよ」
宿屋のオヤジさんは、ニコニコ顔でラッカとニーナを迎え入れます。

ニーナはオジサンの顔をまじまじと見つめます。

ニーナには、村長もこのオジサンも村民たちも、みんな普通の人間に見えるのです。

「僕が魔物かどうか疑っているのですか？」
ニーナの視線に気づいたオジサンが、ニーナに向かって言いました。

「え･･･は･･･はい･･･」
自分の考えを悟られ、動揺して返事をするニーナ。

「本物の魔物ですよ〜」
オジサンは陽気な声を出し･･･
次の瞬間、毛むくじゃらの狼男に変身しました。

ニーナは悲鳴を上げそうになりましたが、悲鳴をあげたらオジサンに失礼だと思い、グッと堪えました。