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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第29章 出された条件

それを聞いた涼が、またクスッと笑い、私達に向けて話した。
「紗蘭も、それでいいのかい?俺とあと2年海外で暮らせる?」
「うん。大丈夫。2年間はしっかり涼のサポートをさせて。」
「紗蘭…ありがとう。」
そう言った涼の表情は、穏やかですごく優しかった。
2年間の海外生活。
その間、アズとは連絡もとれないし、会えない。
でも本当にアズを愛しているなら、アズや涼が言うように、何年会えなくても思いはかわらないはず。
二人にとって、愛を確かめるいい機会なのかもしれない。
そして、これまで私を大切にしてくれた涼の大事な海外での仕事。
妻として、最後にしっかりとサポートする事で少しでも、涼に恩返しが出来たら嬉しい。
今までアズにも涼にも、甘えるだけだった。
二年間でもう少し私も成長しなくてはいけないよね。
三人で決めたこの条件。
二年後の未来がどうなるのかは、まだ誰にもわからないけど、今は三人共二年間を前向きに生きていこうとしている。
自分達がやるべき事をしっかりと見つめていた。
明るい未来がきっと三人に訪れると信じて。

