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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第12章 アズの過去

暖かい…。
何だかすごく安心する…。
幸せな感覚に瞳を開けると、ソファーの上でアズに抱き締められながら眠っていた。
体を起こそうとしたら、腕をグイッと引っ張られて、またアズの腕の中に戻された。
「サラ、離さない。」
そう言ったアズに体を反転させられて、いつの間にかアズの体が私の上に重なる。
「アズ…?」
「サラ…帰したくない。俺だけのものにしたいよ…。」
そう言ったアズの顔は、すごく苦しそうで、私の心がズキッと傷んだ。
家族と過ごしていたこの家で、今一人で暮らしているアズ。
今日、私がこうして家に来た事で、その時の生活が少し思い出されたのかもしれない…。
思い出の詰まったこの広い家に一人。
アズの気持ちを考えたら、私も苦しくなる。
「サラ…好きだよ…。」
アズの消え入りそうな声が聞こえた瞬間、私の唇がアズの唇に、荒々しく塞がれた。
いつもは優しいアズのキスも、今日は荒々しくて、どこか余裕が無さげで…。

