この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いとかなし
第3章 昔はものを 思はざりけり
額に浮かんだ汗をTシャツの裾を捲って拭う啓司。
突然露わになった割れた腹筋に、目のやり場に困ってしまいふゆを見つめた。
「ん」
満面の笑みでまた左手を差し出されると、糸は笑みを堪えながら掌を重ねた。
河原を吹き抜ける風が、火照った頬を心地よく撫でていく。
「ここ、桜並木なんだ、来年は一緒に見よう」
当たり前のように啓司が言う約束に、嬉しいと思ってしまう次の瞬間、自分を戒めてしまう。
啓司の優しささえ疑ってしまう。
門戸の前に人影が佇んでいる。
そらがぐっと紐を引っ張った。
「眞紘!!」
顔馴染みらしきその人は細身の白のパンツにビックサイズのTシャツ、サンダル履きでマスクをしている。
突然露わになった割れた腹筋に、目のやり場に困ってしまいふゆを見つめた。
「ん」
満面の笑みでまた左手を差し出されると、糸は笑みを堪えながら掌を重ねた。
河原を吹き抜ける風が、火照った頬を心地よく撫でていく。
「ここ、桜並木なんだ、来年は一緒に見よう」
当たり前のように啓司が言う約束に、嬉しいと思ってしまう次の瞬間、自分を戒めてしまう。
啓司の優しささえ疑ってしまう。
門戸の前に人影が佇んでいる。
そらがぐっと紐を引っ張った。
「眞紘!!」
顔馴染みらしきその人は細身の白のパンツにビックサイズのTシャツ、サンダル履きでマスクをしている。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


