この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いとかなし
第14章 おもいねに わがこころから
啓司の手が不安で冷たくなった糸の手を握る。
ドアから看護師が出てくると、その表情を伺った。
穏やかにも見える看護師に中へと促されると、治療台の上でふゆは目を開き尻尾を振った。
「特にどこが悪いというわけではないけれど、よると戯れてて疲れたのかな?」
獣医の言葉にほっと胸を撫で下ろす。
「ただ…ふゆももう歳だからね」
頭を撫でる獣医の表情に、啓司は別れを予感していた。
「今夜から…みんなで下で寝ようか?」
帰りの車内で啓司がぽつりと呟いたそれに、糸は拳を握りしめ頷いた。
二間続きの部屋に布団を並べて敷くと、初めて来たあの日と同じように寝そべった。
あの時と違うのは、はれもしぐれも居ない。
丸くなったよると、二人の間に挟んだふゆが居るだけだ。
ドアから看護師が出てくると、その表情を伺った。
穏やかにも見える看護師に中へと促されると、治療台の上でふゆは目を開き尻尾を振った。
「特にどこが悪いというわけではないけれど、よると戯れてて疲れたのかな?」
獣医の言葉にほっと胸を撫で下ろす。
「ただ…ふゆももう歳だからね」
頭を撫でる獣医の表情に、啓司は別れを予感していた。
「今夜から…みんなで下で寝ようか?」
帰りの車内で啓司がぽつりと呟いたそれに、糸は拳を握りしめ頷いた。
二間続きの部屋に布団を並べて敷くと、初めて来たあの日と同じように寝そべった。
あの時と違うのは、はれもしぐれも居ない。
丸くなったよると、二人の間に挟んだふゆが居るだけだ。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


