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果てのない海に呑まれて
第48章 果てのない海に呑まれて
「そういうところだからな!
お前のそういうところがオレは嫌いなんだ!」
「俺も、お前のそうやってすぐ喚き立てるのが大嫌いだ」
目だけで振り返って鼻で笑う
二人とも子供の頃の姿そのものだ
「……相変わらずうるさいな、あいつらは」
「…レオン」
「ん」
リリアの声に、そっと体を寄せる
立ち上がった二人の前には、果てしなく広がる海。
「……この先に何があるんだろうな」
「陸があるわ」
確信したようなリリアの言葉にレオンは苦笑した
「きっと、あるわ」
それでももう、子供の戯れ言などとは言わない
彼女の目の輝きがそう思わせるのだ
「……何でもいい」
何もなくても
このままこの果てのない海に呑まれてしまっても
「レオン……貴方がいるなら」
お前がいるなら
どこまででも行けるのだから–––
『果てのない海に呑まれて』完

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