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果てのない海に呑まれて
第24章 始まりは皆
「……っ!!」
身体がモロに水面に叩きつけられる
その痛み故に思わずゴボッと息を零したミゲルは、そこで重要なことに気が付いた
自分は海に入ったことがないーーー
つまり、泳ぐという行為が分からない
「……!」
この時ミゲルは本気で焦った
ぐるぐると腕を回してみても、余計苦しくなるだけだ
だが幸運なことに、そんな彼の手に偶然何かが当たった
「いってぇなぁ……?」
クリスはバシッと頰に張り付いてきたものに反射的に手を触れ、その温さにビクリとたじろいだ
手だーーー
「まさかアイツ……!」
グイッとその腕を引っ張ると、見たくもない顔がザバンと水面に現れる
「ハァッ!…ケホッ……すまない…ケホッ……たすかっ……」
「お前なぁ、泳げねぇならそう言えよ」
「……」
救い主の顔を見た瞬間、ミゲルは口をつぐんだ
「オヤジはマジで体が凍えるくらいまで上げてくれねぇ。
とりあえずここに掴まっとけ。泳げないならな」
「悪かったな泳げなくて!」
嫌味のように言われてミゲルが声を荒げる
どうやら二人ともここに落とされた理由をすっかり忘れているようだ

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