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果てのない海に呑まれて
第18章 訣別

その腕にしっかりとリリアを抱き、レオンは水面へと顔を出した
「…ッ……ハァ…ハッ……」
「レオン!」
ミゲルの声が聞こえ、船上からロープが投げられる
レオンは片手でしっかりとそれを掴んだ
「リリア、しっかりしろ……っ!」
掛け声と共に二人の体が宙に浮く
リリアはぐったりとして動かなかった
「リリアっ」
最後の最後、一気に甲板へと引き上げられる
「ゲホッ…」
投げ飛ばされるような形になって衝撃からリリアが咳き込んだ
口から大量の水が溢れ出す
「リリア!
ミゲル、水と布を……」
「ここにある」
予想していたミゲルがすぐに指示されたものを示すとレオンはリリアに駆け寄り、その体を傾けた
「ケホッ…ケホッ…」
「リリア、水を……」
レオンが柄杓を近付けるがリリアの意識は朦朧としている
うっすらと目を開くがすぐにまた閉じ、とても自力で飲めるような状態ではない
「……」
レオンは自らの口にその水を含むと、そのまま彼女の唇を覆った
「…ン…」

