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another storys
第18章 彼岸花【陽炎】
そうして五年ほどが過ぎた。
もう客に何と言われても、どうとも思わない。
もう、女として扱われることはない…そのことを寂しく思うことがない、といえば嘘になる。
るいはまだ二十五。普通ならまだまだ女盛りだ。
飽きるほど男を知っているわけでもない。
患う前は列をなすほど男に取り巻かれたのに。
器量定めとはよく言ったもの。
町を歩き、幸せそうに寄り添う男女を見ると羨ましく、かと言って指を咥えて見入るなど、
醜女に睨まれたと気味悪がられるのだろうと思い、つっと目を逸らす。
求めても手に入らぬ、人の心。
店から離れ、独りの時間を過ごするいは、抜け殻のようだった。
そしてそんな時。不思議な男と出会う。
もう客に何と言われても、どうとも思わない。
もう、女として扱われることはない…そのことを寂しく思うことがない、といえば嘘になる。
るいはまだ二十五。普通ならまだまだ女盛りだ。
飽きるほど男を知っているわけでもない。
患う前は列をなすほど男に取り巻かれたのに。
器量定めとはよく言ったもの。
町を歩き、幸せそうに寄り添う男女を見ると羨ましく、かと言って指を咥えて見入るなど、
醜女に睨まれたと気味悪がられるのだろうと思い、つっと目を逸らす。
求めても手に入らぬ、人の心。
店から離れ、独りの時間を過ごするいは、抜け殻のようだった。
そしてそんな時。不思議な男と出会う。

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