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蜘蛛の巣
第15章 分かたれて。
「じゃ、食器持っていくね」
お膳を取りにベッドの反対側へと回り込む
「え、もう行っちゃうの? ちょっと話そうよ」
「でも橘さんに言われてるから……」
「どーせ他に何かあったら頼まれろとも言われたんでしょ?」
「そうだけど……」
「ならいいじゃない、ちょっとくらい!
一人で退屈なの……ね、華、お願い」
“そんな捨てられた仔犬みたいな瞳をされても……”
引き留めるように服の端を引っ張られ、華は困ったように目を泳がせる
「何故かアーヤにも長居するなって言われたし……」
「……」
その瞬間、茅斗の手が離れた
「そう、アーヤがね……」
俯いて小さく呟く
と、突然サイドテーブルに手を伸ばし部屋の明かりを消してしまった
「え、ちょ、カーヤ!? 何も見えな……きゃっ!」
ドサッ
腕に茅斗の手を感じたその刹那、華はベッドの、彼の上に倒れ込んだ
いや、そう"させられた"
「…何の、つもり……」
その力強さに、華の声が震える
もういい加減、分かっていた
この次に何が起こりうるかということに。

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