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蜘蛛の巣
第15章 分かたれて。
「あー……華ちゃん?」
「へっ?」
突然名前を呼ばれて素っ頓狂な声を上げる
「着いたよ?」
そう言われて周りを見渡してみれば、そこは通勤通学の人々が多く行き交う駅前だった
「あ、ありがとうございました!」
すぐにバイクを降りてヘルメットを取る
「帰りは俺の携帯に連絡くれればすぐ迎えに行くから」
「え、帰り……帰り!?」
「うん、帰り」
"そこまで考えてなかった……!"
「いえ、帰りはさすがに……」
「何言ってるの、邸まで歩かせるわけにはいかないでしょう。
……もしかして、俺と一緒にいるの…嫌?」
「違いますそれはないです!」
即否定しながら、どうしようもないのに断る理由を探してしまう
「でもあの、壮真さんにも学校が……」
「大丈夫、俺今日は午前終わりだから」
「…分かりました……」
申し訳なさでいっぱいだった
「それじゃ、また後でね」
ブロロ…
遠ざかる彼を見ながら華はため息をついた
"ねぇ、壮真さん……"

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