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蜘蛛の巣
第12章 あの日々は遠くーーー
「で、アーヤのは? これは二人分?」
「ううん、ボクのは外のポケットに入ってるよ!」
言われた通りにそこを開けてみる結利
中から写真のようなものが取り出され、その瞬間に結利の動きが完全に止まった
「エリーゼだよ! 覚えてる?」
「…ああ……元気、か…?」
「うん! でもね……最近ちょっと調子悪いみたい」
「いつでもいいから会いに行ってあげてね」
「ああ…ありがとう……」
主役が黙り込んでしまったので、煉がパンッと手を叩いた
「さて、全員渡し終わったわけだし、ぼちぼちお開きにしようか」
「うん、そうだね」
各々解散、ということで、要を先頭として大人達はぞろぞろと食堂を後にする
綾斗と茅斗はケーキの余りがないかわざわざ調理室まで聞きに行っていた
"……?"
そんな中で結利だけはただ静かに窓から外を見つめている
華もその視線を辿って外に目を向けた
"ああ、そっか……"
ここからだとちょうど早霧の屋敷が見える
早霧遥の、結利の実の兄のいる場所がーーー

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