この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蜘蛛の巣
第9章 悩み
「えっ」
腕を掴まれ、立ち上がるのをサポートしてくれるーーー
までは良かったが、どこをどう間違ったか、華はそのまま彼の腕の中に納められていた
「か、和樹さん!? 何してるんですかこんなとこで!?」
「何って……部屋に戻ろうとしたら君にぶつかられただけなんだけど」
「う……す、すみません」
「橘さんがそろそろ夕飯の準備するからって君のこと捜してたよ」
和樹はそう言いながら華を包む腕にさらに力を籠めた
「じゃ、じゃあ行かないと……えと、放してもらえませんか?」
「んー、やだ」
「は!?」
半分振り返ってその表情を見れば、和樹の顔にはいつもの意地悪な笑みが浮かんでいる
"これは、マズイ"
華は直感的にそう思った
だがどうすることも出来ない
「地味に痛かったんだよねー……廊下を走っちゃダメだって小学校で習わなかった? 今から僕の部屋でじっくり教えてあげようか」
「…っ……」
やっぱりーーー
そう来るか
「あの、ほんとにすみませんでした。だから今回は勘弁して……」
もがけども振り払えない
和樹はその様子を楽しむように笑っているばかりだ

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


