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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第30章 "桜"


あの顔立ちならば淡い色が似合いそう…
帯も淡く……

季節的に白や薄紅、薄青なんかが良いと思う。

思案しながら衣装部屋をクルクル周り、漸く一枚の着物を手にした。

白が基調で帯下は薄紅の模様が入っている、此ならば文句無い。

後は帯や襦袢、帯紐など必要なものを集めていく。


「此でどや?」

綺麗な淡い着物に瑠衣は嬉しそうに頷く、やっぱり山崎に頼んで正解だった。


「ありがとう山崎さん」

「前みたいな失敗せんようにな」

「はーい…」

しっかり釘を刺されつつも、瑠衣は着物を片手に、山崎の部屋を後にした・・・







夕方前、瑠衣は総司に山崎から借りた着物を見せて、どうしょうかと悩んでいる。


「此なんですけど」

「綺麗じゃないですか、何か不満でも??」

「不満は無いですが…
月詠から借りようと思ったら、急に駄目になって山崎さんから借りたんです…」

「山崎さんからー!?」

「はい…
後追われないようにしませんと…」

「まぁ…
そうですよね……」

総司も瑠衣の着物に合わせ、薄青色の着流しを引っ張り出す。


「兎に角、屯所では着替えられませんし、どうするのですか?」

「それは簡単です、姿替えと同じ要領で着替えますから」

総司は着替え終えて、何時もの頭の上の一括りから、横に下ろして結う。

瑠衣は着物一式を風呂敷に包み、大刀だけ腰に差して立ち上がった。


「「行きますか!」」


お互い顔を見合わせ、笑いながら部屋を後にした・・・






屯所から出た瑠衣は裏手に回り、風呂敷を広げて姿替えを始めた…

白が基調で帯下は薄紅の模様が入っている着物、髪を長く一区切りに束ね‥勿論、髪紐は総司とお揃いの物。


「あっ…
刀……」

朱桜刀を置いて行く訳にはいかない、この間のように刀を人撫でして、今日は薄紅色の腕輪にする、それを腕に通し総司に向かって一回転。


「あの…
おかしい所ありませんか??」

鏡が無いので自分では分からない、総司はそんな瑠衣を目を細めて眺めて……


「大丈夫です完璧ですよ…
ですが、此処はまだ壬生ですから裏通りを通って街に出ましょう」

総司の言葉にニコリと笑い、今着ていた着流しを風呂敷にしまい、壁の隅に隠し準備万端。
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