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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第22章 "罠"


「?????」

「クスッ…
楽しみにしていて下さい」

心地よい暖かさが瑠衣を包み込む…

「瑠衣がそういうのならば任せます、楽しみにしていますね」

「えぇ…」

より一層総司にくっ付く、そんな瑠衣の仕草が堪らなくなり、胸の中の瑠衣を引っ張り出し、いきなり口付けした…


「んっ…んっ‥はぁ‥総司?」

「はぁ‥つい溜まらなくなって‥ヘヘヘ‥」

「溜まらないって‥」

「言葉のままですよ、そんなにくっ付つかれたら、私だとて男ですからね‥つい‥」

そう言いまた接吻する、短い様な長い様な、そんな甘い時間…

「あんっ‥はぁ‥んっ‥」

総司との接吻に、先程見た華因と淡崎の行為が思い出されてしまう…


「瑠衣…はぁ‥はぁ‥」

より深く接吻しようとする総司を、つい勢いで止めてしまった…


「まっ‥待って…
総司‥か…
月詠が襲われました…」

上目使いに総司を見ながら、瑠衣は重く口を開いた。


「月詠さんが!?」

瑠衣の突然の言葉に、総司は驚くばかり。


「私と月詠が繋がっているのは前に話ましたよね?」

「えぇ…」

「月詠にあった事は、任意ですが私にも見えるし聞こえるんです
それで…
月詠は相手に薬を盛られて、強制的に敵に協力する事を求められた様です」

瑠衣が総司の寝間着を掴む…
まるで悔しいと言っているみたいに・・・・・


「薬…
ですか?」

「はい、総司は阿片とかは分かりますか?」

「…
巡察の時に一度…
浪士が女性を監禁するのに使用していたのを見た事はあります‥あまり良い気分ではありませんでした…」

総司は瑠衣の髪を撫でながら思い出した様に話す。

「えぇ、阿片は中毒性の高い麻薬です、使い続ければ阿片無しでは居られなくなり、最後には自分の人格、感情などが曖昧になり体は薬に侵されてボロボロになって、行き着く先は死です」

「それを月詠さんが??」

「阿片とは別物の様ですが、中毒性で常習性のある薬な事は確かです…
ですが、私も月詠も薬や毒などは時が経てば完全に消えます
ですが、やはり体内に入って、一定の間は薬の効果は出てしまいますが…」

「瑠衣でもですか?」

「はい、体が薬の毒に馴れれば勝手に中和されますが、それまでの間は‥
薬の強さにもよりますが、そうですね四半刻から二刻は掛かります
その間に月詠は敵の手に落ちた様です」
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