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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第3章 消せない過去、喪われた想い

そこまで言ってようやく悠の心のツッコミが届いたのか、口をつぐんだ
だが時すでに遅し
悠は死んだ目でふっと目を逸らした
「龍青くんて…そっち趣味……」
「ち、違う違う!」
必死で弁解しようとした彼に悠は冗談だよと笑みを向ける
その様子に少しホッとしてから、龍青は真顔になった
「て、ことは……もしかして、和泉?」
「さあ、どうでしょー?」
「駄目だ!」
ガッ
そのままのノリで返そうとした悠の肩をいきなり掴む
「へ?」
「あいつだけは絶対駄目だよ!」
驚いて目を丸くした悠に、龍青はさらに続けた
「いや、それって単なる嫉妬……」
「あいつは! 昔先生に対して傷害事件を起こしてる!」
“な…ぎさ……助けて…凪!”
自分の名前を呼ぶ声に凪ははっと目を覚ました
“夢……か?”
うなされたように大量の汗をかきシャツが体に張りついている
“美和の声だったな……”
求めすぎて夢に出たのか
「……は」
我ながら女々しい
自嘲するように笑い、顔を手で覆った
「……」

