この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
×アリエナイカノジョ×
第5章 カノジョたちの一コマ
ちょっと俯いていたら、何やら声を掛けられた。
痩せた坊ちゃん刈りの男子。
「…ん?」
「え、えっと………」
黒縁メガネの奥で視線をキョロキョロさせながら、しどろもどろに何か言おうと頑張ってる。
誰だかサッパリ分からない。
「あっ。えっと…アナタは………」
小首を傾げていると、美穂ちゃんが助け船を出してくれた。
「は、はいっ」
「確か、紗英にラブレ…んぐぐぅっ!?」
「はいはい、おクチチャックねぇ」
正行くんに後ろから口を塞がれて、目を白黒させてる美穂ちゃん。
仲が良いなぁ。
結局、美穂ちゃんは何が言いたかったのか分からない。
「え、えっと…。初め…まして」
「う、うんっ」
こっちの男子も熱でもあるような感じで顔が赤い。
「頑張れっ」
「んぐっ、んぐぅっ」
何故か正行くんと口を塞がれてる美穂ちゃんが応援してる。
何の事だかサッパリ分からない。
それよりも、またあの小説を思い出した。
紗英はあんなに天然じゃない。
「顔…赤いけど……熱あるの?」
「はあぁぁぁ………」
深い溜息を正行くんと美穂ちゃんに吐かれた。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


