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TORTURE −対女性拷問者−
第9章 背徳の交わり
隣で心配そうに捲くし立てる乳母に、長は落ち着くように言う
「分かったから……とにかく会ってみるから、お前はここで待っていろ」
「はい……」
娘の部屋の前に立ち、小さく深呼吸
そして三回ノックをした
「入ってもいいかな?」
「……」
だが、返事はない
「綺梨?」
シン…
「入るよ」
ドアを開けると、乳母の言う通り、綺梨はベッドの端に腰掛けて外をぼうっと眺めていた
「綺梨」
「……あ…父様……」
生気のない目で、ようやく父親がいることを認識する綺梨
「なにかあったのか?」
その問いに答えられるはずもなく、彼女はゆっくりと首を振った
「何もないわ…何も……」
「……もし…婚約者のことであれば……すまなかった。私の責任だ……」
それでも綺梨はただ首を振り続ける
「父様のせいじゃない……そう思っちゃいけないのよ……」
「綺梨……?」
小刻みに震える娘に手を回し、優しく擦る
「本当にすまない……次は必ず、幸せになれる相手を……」
「次……? 次なんてない……麗夜だけよ……」

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