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和馬は狐に摘まれたような心持ちになった――。

和馬と美緒が交際を始めたのは、今年の春――二人が水泳部で出会って間もない頃だった。

美緒が、和馬に告白した。

それから二月ほどを経て、和馬が美緒を誘って、二人は和馬の自室で“初体験”に及んだ。

美緒は和馬に“処女”を、和馬は美緒に“童貞”を捧げた。

初夏の空気が辺りを包む、七月最初の土曜日のことだった。

和馬のベッドの上で、美緒は和馬に“処女”を、和馬は美緒に“童貞”を捧げた。

初夏の空気が辺りを包む、七月に入って魔もないの土曜日のことだった。

その“初体験”から今日に至るまでの一月で、二人は十回近くのセックスに興じている。

誘うのは、決まって和馬だった。

つまりは、和馬はもう何度も美緒の“ハダカ”を見たことがあった。

けれども、今の和馬が目にしている乳首は、これまでに見た美緒の乳首とはまるで違っていた。